2015-05-23

HERMES



冗談半分で試着してみたらまるでオーダーメイドかのようにフィットしたHERMESのブレスレット。

chigoのスタッズブレスレットとの相性も最高で絶対買うと呪文のように唱えること数ヶ月、やっと手に入れました。

腕周りで動くのが苦手なので何よりも大事なのがサイズ感、これはXSが笑っちゃうくらいにジャスト。

レザーの質感とかスタッズの形とかなにもかも良すぎて、視界に入るたび頬が緩んでしまいます。

一目惚れってきっとこういうことだな。

2015-05-06

review

以前、平野啓一郎さんが講演会で「昔は薬を飲むかのように小説を取り入れていて、それでも自分の症状が治まらなかったので薬を調合して自分で生み出すようになった」と話されていて、薬という表現はすごくしっくりくるんだなと思ったのを覚えています。 自分に合うなと思えば本棚に入れ、必要な時にそれを取り入れる。一冊まるごと読まなくてもほんの数行で緩和される気がするし、間違えると悪化することもある。 何年か前はすごくしっくりきたけど今はあまり響かなくなってしまうこともあるし、昔読んでわからなかった本にとつぜん影響されることもあったり、確かに私にとっても薬みたいな存在になっているようです。

春真っ最中、がっつり体調を壊した私に手を差し伸べてくれた三冊について。



「脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体」/中野信子

最近よくテレビでお見かけする中野信子先生、恋愛と脳の研究というカテゴリにはあまり興味がなかったのですが、ゲストの粘着質な恋愛相談に「それはオキシトシンの問題ですね」とあっさり切り返したのを見て、もっと知りたくなり手に取りました。 脳について知りながら興味を持たせてくれるので読みやすく、専門用語に挫折することもありませんでした。 中でも依存性についての章がすごく面白かった。 自分では無意識もしくは自分の中の考えに従って選んでいたものが、実は長年蓄積された脳が心地良い方を選んでいた結果だった、ということに気がつき、ただただ腑に落ちたの一言でした。もやもやっとしていた部分が理論付けされていると、そうか間違っていたわけじゃなかったのかと安堵させられる。間違っているかもしれないと思いながら生き続けるのは脳にも心にも負担がかかるから、出来るだけ減らしていけたらいい。

でも生殺与奪の権利を親に預けている時期に植えこまれた記憶っていうのが今現在の脳にも残っているという事実はやっぱりなとわかってはいても怯えてしまう、薄ら寒い感覚。そんなこといったってまだまだ生きていくのだから、幸せな脳にしてあげたい。ドーパミン足りてないな。

第四章 社会的報酬の中に、人の脳には他の生物にはみられない特徴として「自分が生きている意味を知ろうとする」という働きがあると書かれています。 そうか、それって確かに人だけが悩むことなのか、と頷きながら「仔猫の肉球」へ続く。



「仔猫の肉球」/ 雨宮処凛

違う本を探しにいった本屋でなぜか手に取り、買う買わないを数回繰り返して結局は表紙の猫にやられて持ち帰りました。 雨宮処凛さんという方は存じ上げなかったのですが、「生きづらさのエキスパート」だそうです。 この本は現在も続いている新潟日報での連載「生きづらさを生きる」を編集、構成し直したもの。

猫は人間のように「生きる意味」を問わない。 筆者の生きづらさを救ってくれたのは二匹の猫、そして今その猫達が生きる動機になっていて、「なんの役にも立っていないのに自身満々の猫」と暮らすことで、自信や自己肯定感はなんの根拠もなく持っていいものなのだと教えられた、そうです。数年前から思っている猫が飼いたい欲さらに高まる。撫でろとか飯くれとか命令されたいー。 猫のことだけじゃなく、色々なことについて書かれているほんとうに優しいエッセイ。そしてあちこちでハッとさせられたりもします。そうか、そんなこと考えたりしたらダメだなとか気付かされる。心が弱ったことがある人は是非読んで欲しい。

エッセイは文章の色合いとか(色合いっていう単語が合っているのかどうかわからないけど)空気感が自分に合う合わないが色濃くでるジャンルだと思っていますが、このエッセイはあたたかくて心地よく、心のトゲトゲをやわらげてくれる、すごく素敵な一冊でした。



「人間仮免中」 / 卯月妙子

統合失調症を患う漫画家の卯月妙子。20歳で結婚したが、夫の会社が倒産、借金返済のためにホステス、SMストリッパー、カルト系AV女優として働くが、その後夫は投身自殺。幼少の頃から悩まされていた統合失調症が悪化し、2004年には出演していたストリップ劇場のステージ上で自ら首を切り救急車で運ばれる。 入退院を繰り返しながらも、女優として舞台などで活動を続け、36歳にして卯月は25歳年上のボビーに出逢い恋をした。ケンカしながらも楽しい生活を送っていたある日、彼女は統合失調症を抑える投薬を怠り、歩道橋から真っ逆さまに飛び降りてしまう。 すべてを乗り越え愛し合うふたりの、奮闘する日々をユーモラスに描いたノンフィクション自伝エッセイ。(Wikipedia参照)

刊行当初、話題になったコミックエッセイ。パンチが強すぎてなかなか手を出せずにいたのですが、二年前身体を壊した時いつも読んでた本が全く頭に入ってこない状態のときに手をつけました。ちゃんと読めるかと言われると正直難しいです。色々強烈すぎて。 “歩道橋バンジー”(歩道橋から飛び降り)で顔面を粉砕骨折したあとの戦いっぷりも凄まじく、もうよくわからないんですけど、最後うっかり涙が出てしまうんです。 退院して当たり前に朝が来て生活が出来ることの喜び、「生きてるって最高だ!!!」の一言がこんなに響いたことはありませんでした。 初めて読んだ時期、具合を悪くしてよくわからない検査を繰り返していて不安な日々を過ごしていましたが、病院で何度もこの漫画を思い出していました。大丈夫、大丈夫、生きてるって幸せって絶対また思える思ってやると自分自身に言い聞かせるように。 人によって感じ方は異なると思いますが、わたしにとっては生きるための強い力をわけてもらえる本です。



仕事が忙しくてバタバタとした毎日を過ごしていると「ああまた今日も仕事しか出来なかった、何かしたいけど疲れたし明日も仕事だし寝たい、でも本当にしたいことはもっともっとたくさんあるのに」とかいうジレンマを感じるのに、仕事が空く時期になると「私は一体何がしたいんだろう?」と時間を持て余し、挙句の果てにはこんなにわからないのなら生きる意味なんてとか考え出す始末、ごくごく自然な流れで。

そこでリアルに体調を崩すとそれがまた一転、「あれもこれもしてない、まだまだしたいことたくさんあるし、こんなところでくたばってられないのに」と焦る。何やってんすかね。

不具合のない部屋でやわらかい毛布なんかに包まりながらスムーズに動く手足を縮こめてリップクリームを塗った唇が生きる意味とはなんぞと呟く。 なんと都合のいいこじらせかたなんでしょうか。もうやめようっと。

とまあ相変わらずですが、それでもこれからを生きるための気力が湧いてくるようなゴールデンウィークを過ごせたことが、私はとても嬉しいです。