2010-12-30

Dear all

年月に区切りがあることについてそもそも考えたことなどなかったけれど、今思うのはまた一つ西暦を積み重ねその上四季が順序良くやってくるということは、去年の今頃と比べられるということ。 学生のころは一年の進化というのは目覚ましく明瞭だけれど、大人になると意識しない去年の自分との比較、そう考えると去年の今頃はごたごたしていたし、けれどそれが本当に一年前なのかと疑ってしまうほどに2010年があまりにも色濃く混沌としていました。 秋の延長につき少しばかり遅延した冬とともに春が待ち遠しいような気持ち、そんな穏やかな自分に一番驚いているのはわたし自身です。 生きていることは死ぬまでの退屈しのぎ、けれどそれをどう楽しく過ごすか取捨選択を繰り返していくなかで、どうかどうか間違えることがありませんようにと願いながら。




一瞬の選択で全てを失うこともあるけれど、飛びこまないと感じられない冷たさだってある。 それを決めるのは全て自分で、なにもかも自分次第なのだと痛感しました。

何があっても変わらずに仲良くしてくれた友達、導いてくれた大切なひと、それから誰も辿り着けないようなここで出会えた顔も名前も知らないあなたにも最高のありがとうを。 よいお年をお迎えください。



2010-12-29

South of the Border, West of the Sun

せまりくるは年の瀬、師走はやはりあまりにも早すぎる速度で過ぎ明日は実家に帰る切符に記されている日付、また12から1への回帰を生まれ育った場所で迎えようとしています。 上京するといつ決めたのは定かではないけれど当たり前のように東京で生活をするんだと何の根拠もなく信じていたほどにそれは必然で、新幹線で約一時間半の距離は日帰りさえできるほどなのに、ここ数年の帰省は年末年始だけとなってしまい実家から東京に戻るとなんだかひどく落ち着くほど今の環境が気に入っているのです。

それでも鍵盤に触ることが目下の楽しみでありなんだかんだ満喫はしてくるような気もするのですが、毎朝ひどく憂鬱に倒れるように降りていた階段、掃除機をぶつけてかけてしまったピアノの脚部分、身長のメモリ、楽しいことも悲しいことも様々な気持ちをかかえて歩いた通学路、懐かしいと思う気持ちもそこそこに記憶は断片的なので本当にこの家で18年間も過ごしたのかさえもあやふやになって自分だけが取り残されたような感覚。





「子供の頃、僕はこの一人っ子という言葉がいやでたまらなかった。その言葉を耳にするたびに、自分には何かが欠けているのだということをあらためて思い知らされることになった。その言葉はいつも僕に向かってまっすぐに指をつきつけていた。お前は不完全なのだぞ、と。」

ひとりっ子という言葉を口にするたびに、「国境の南、太陽の西」の最初の冒頭部分を思い出すのだけれど、わたしは子供の頃よりも今の方が嫌だなあと思ってしまいます。 何気なくひとりっ子ぽいねと言われると相手はそんなつもりなくても欠落しているねと笑顔で詰られているような気分になり、兄弟がいないだけでひどく特殊な存在であるかのようなこの言葉とはこれからもずっと付き合っていかないといけないわけで、けれどひとりで過ごすことは慣れているし幼い頃からそれが日常だったので出来れば群れないほうが楽だけどそうも言ってられない日々の中、大勢に囲まれるとどんなに楽しくてもなぜか自分ひとりだけフィルターにかかったようにふわんと浮いてしまうのが常、馴染まないねと言われることも多いのが特徴です。

何かするときにはいつも必死で限りなく100%なのにどこか客観的な自分がいて、楽しいことも悲しいことも何か本を読んでいるかのようなこの心理的現象、だから過去の記憶もひどくぼんやりとしてしまうし、大勢に囲まれていてもなんで自分だけここにいるのにここにいないんだろうとひたすら思い悩んだ時期もそういえばあったような気がしますが、もはやそれも曖昧模糊。 いつかはそんな劣等感が拭えるときが来るのかなあとたまに思ったりもするけれど、完全なものが全て美しいとは限らないし、欠けてるからこそ沁みてくるものだってあると、そんなふうに前向きに考えられるようになったのはつい最近のこと。

贅沢と言われようとも帰省するときはいつも必ず指定席、弱虫だから実家に帰るための自分が座っていい席がないとひどく不安なのです。

山に囲まれたあの街は冷たい風が全身をくまなく刺してくるだろうから、いつもにましてたっぷりと着こんで隙間なく。



2010-12-11

I know what to do.




「空調の音が脳内を占拠、思考にはいつも靄がかり、輝かしい齟齬、皮膚の上にもう一枚みえない鱗をまとい、いつからか薄い膜に覆われたわたしが溶けだすのは虚無がせめぎ合うがらんとした部屋、そもそもが形而上的で、唐突に亀裂が生まれ避けてきた外気に触れるとついに腐敗へ、ずっと守ってきた一部分が剥がれ落ちたことは恐怖でもあり解放でもあり目が覚めて広がる空は窒息するほどにさめざめと青かったのです、おはよう」



2010-12-03

Aesop



イソップが日本に上陸して15年、待望の路面直営店が12月8日、青山にオープンします。 実はごく最近なのですが遅ればせながらわたしもイソップデビューしたばかり。 憧れている生活の中でそれを見つけ、今すぐ全ては手に入らなくとも何か真似したい、そんな気持ちで購入しましたが、金額をよく確かめずに直行したため思いのほか高額だった、というのが直後の感想です。

手を洗う行為、雑にがしゃがしゃではなく手の甲を外側から包むように撫で、それから指と指を絡めるように。ハンドソープがもたらす効果ってこんなにも大きかったのかとイソップを使って実感しました。ワンプッシュもいらないくらいの量でたちまち香りが広がる瞬間はふんにゃりとゆるみ、肌触りのよくなった手の甲を鼻にくっつけてまるで子供のようにくんくんと嗅いでしまうこの気持ち、使えばきっとわかるはず。お値段はけしてハンドソープの価格ではないけれど、わりと大きめのボトルなので長持ちしそうだし、なによりもこの贅沢感。

知らなかった世界の扉をひとつ開けたような、そんなすがすがしい香りが充満しるたびに、背伸びしてでも買ってよかったなと思うのです。





水・ラウレス硫酸Na・ココペタイン・コカミドDEA・マンダリンオレンジ果皮油・アトラスシーダー樹皮油・ラベンダー油・オレンジ油・海塩・ローズマリー油・クエン酸・メチルイソチアゾリノン・メチルクロロイソチアゾリノンが生み出す優雅な香りとキメ細かい泡が心をゆるやかに溶かして指先から洗浄、そして潤いは残留、その他もろもろは排水溝へ。