2017-10-21

DISCO


憂鬱なことばかり考えてしまったり、気分が自力では回復しない時、これはもうネイルに駆け込むしかありません。今更考えても仕方ないことや嫌なことって、どうしてエンドレスに頭を駆け巡るんでしょうね...
今すぐにでもしてもらいたい気分でも、我慢して2週間以上先の予約をとることをおすすめします。鬱々としてきた時にネイルのデザインを考えると気分転換になるのです。今回はここぞとばかりじっくり考えました。




うすめのモスグリーン、オリーブ、ベージュ、ブラウン、オフホワイトにシルバーの箔。かなり渋めな色合いなのに、この透明感。
いつも私のわがままなオーダーに答えてくれるのはDISCO nail のmoeさん。センスが良すぎて毎回想像以上に仕上げてくれます。この絶妙な色合い、最高すぎませんか... 
毎日爪を見つめてはうっとり。いやなことがあっても爪を見つめてはうっとり。




嬉しくて会う人会う人に爪を見せて自慢してしまうんですが、ネイルを褒めてもらえることも勿論、「似合う〜!」と言われるのがすごく嬉しいです。それはもうネイリストの実力ですね。すごい。
チップみたいに保存しておきたいくらい、ものすごくお気に入りのネイルです。



【DISCO】
1-14-9-3F JINNAN SHIBUYA-KU TOKYO
Tel :  03-3464-7831




2017-09-30

月の満ち欠け



「月の満ち欠け」佐藤正午

第157回直木賞受賞作品
 “あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。この数奇なる愛の軌跡よ! さまよえる魂の物語は、戦慄と落涙、衝撃のラストへ。”


店頭で平積みされているのを見て、なんとなく惹かれて購入した本。ファンタジーがあまり得意ではないので、愛と輪廻転生がどう絡んでくるのかな~とやや疑いつつだったのですが、とにかく驚きました。あまりにも素晴らしくて、そんな初めての読後感に戸惑いを覚えながら、興奮気味で記録します。

どちらかというと辛口な文章が好みなので、読み始めは「お、なんかユラユラしているな」と感じました。それが心地悪いわけではなく、つかみどころがない。ようやく見えそうになったかと思えばふいに遠ざかる。なぜ?と疑問を抱くたびに突き放されるような心細さと搔き立てられる好奇心、そのギリギリを攻めてくるような物語の紡ぎ方。読み進めるほどにざわつく感覚に、目が覚めました。そして半分くらいまで読んで、少し不安になりました。この物語はどうやったら終わりを迎えられるのだろう?小さな疑問を少しずつ重ねて少しずつ明らかになる事実とその背後に迫る得体のしれない現実の歪み。
大学生の哲彦と既婚者の瑠璃。ふいに彼女が事故で亡くなってしまう。そこから生と死を繰り返し、時空を超越する愛の物語。なんですが、これをただ“愛”の物語とまとめるにはあまりにもダーク。ラストシーンで全て終わりだと考えれば涙を誘うことは間違いないのだけれど、そこからまた出会ってしまった二人をスタートとして考えると目が泳ぎます。生き続けて歳を重ねた哲彦と瑠璃が憑依した小学生。ちょっとしたホラー。愛なのか執着なのか、混乱してしまいながらもそれでも会いたいと思い続けた瑠璃の思いはあまりにも強烈で、何年かかって何人経由してんのって突っ込みつつも結局泣きました、ハイ。

佐藤正午さんという方の小説を読んだのは初めてだったのですが、読後に色々調べてみて納得。作家デビューは1983年というベテランでした。下手したらライトノベルになりかねないストーリーをここまで引き上げてくる構成力、一見淡々としているようだけどあまりにも緻密で、私の語彙力では上手に当てはまる言葉が思い浮かびません。というわけで選評から抜粋させてもらいます。


浅田次郎「熟練の小説である。抜き差しならぬ話のわりには安心して読める大人の雰囲気をまとっており、文章も過不足なくていねいで、どれほど想像力が翔いてもメイン・ストーリーを損うことがない。」「私見によると、他の候補作とのちがいは相当に歴然としていた。」
伊集院静「それにしても奇妙な物語である。まあ本来、小説には奇妙、摩訶不思議な所が備わっているものであるが、これを平然と、こともなげに書きすすめられる所に、作者の力量、体力を見せられた気がする。」「この作品のテーマは、人の死のかたちなのだろう。死のかたちが広過ぎるなら、死の余韻でもいいかもしれない。」「登場する少女たちが彼女のたちの内に宿ったものに対して、必死に声を上げようとすればするほど、その声が音律を持ち、切ない鎮魂歌に私は聞こえた。」
桐野夏生「人間の個性や人格というものを敢えて無視して成立させる、ダークなファンタジーといったところか。」「死んだはずの瑠璃が少女に憑依して、常に哲彦の元に戻ろうとする設定は、その執着ゆえに薄気味悪さを伴う。実に奇妙な小説である。」「構成は怖ろしく凝っていて巧みだ。」
(第157回直木賞 選評の概要 より)


体力という言葉がこんなにも感じられる小説は初めてでした。持久力が半端ない。ハイレベルな文章がずっと続くので、どこかの一文が抜きん出ることもない。高級なベルベットの絨毯の上をずっと引き摺られている感覚。
特に印象的なのは、瑠璃が電車に跳ねられてしまうところの描写。すごく美しかった。現実と空想を行き来しているかのような浮遊感が死に引っ張られることに対しての悲しみさえも包んでしまうかのような。


余談ですが、読み終わって一通り余韻に浸ったあと思い出したのは、桐野夏生さんの「柔らかな頬」でした。こちらも直木賞を受賞した作品、不倫に溺れる母親の娘が突然姿を消し、それをひたすら追い続ける物語なのですが、ラストシーンで賛否両論だったと記憶しています。結局、犯人は明らかにならない。ありとあらゆる部分で問題を突き付け、考えさせられる展開なので、一番始めに読んだときはあっけにとられました。えっ犯人だれ? でも何度も読み直すと犯人捜しの小説じゃないんだと気づき、みんな怪しいし、でも誰も犯人じゃないかもしれないし、本当は生きてるかもしれないし、それよりも母親の止まってしまった時間との葛藤や胃ガンの元刑事の最期の時間の使い方、不倫相手の転落の仕方や両親との確執など、ハンマーで叩かれ続けていたらラストでハンマーが目の前で溶けた感じ。それでなぜか腑に落ちる。私が今まで読んだ小説の中で一番好きなラストシーンです。
「月の満ち欠け」は全く逆だと感じました。終始なめらかで、けれど重みがあって、現実なんだけど現実じゃないような被膜感があって、心地よくずっと揺さぶられている。このままその揺れが続くだろうと思っていたら強烈な一撃をくらう。そうであって欲しかったし、そうじゃなければ終わりたくなかった。これ以上のラストシーンがあっただろうかと思わされる。どちらも緩急のつけ方が絶妙すぎて、圧巻としかいいようがない二冊です。


「月の満ち欠けのように生まれ変わる」という題材はとても読みやすいので、すぐ入り込めます。冒頭の異世界への予感を与える興味の引き方も巧妙。スピリチュアル感もないのでファンタジーが苦手な人でも大丈夫です。
文章にも人をコントロールしようという作為的なものがなく、難しすぎる言葉で読者を突き放すこともなく、かといって商業的なあざとさも全くなく、ただただ物語に引き込まれて夢中になる。“過不足がない”ことの上品さ。小説の根本的な素晴らしさを改めて教えてくれた本でした。

上質な余韻を味わえる、涼しくなった秋の夜長にぴったりの一冊です。





2017-09-23

new


fashionのカテゴリを最後に更新したのが去年の8月だった,,,ということに気づいたので最近購入したものを。


ZARA フリンジ加工セーター
袖口と裾がほつれていて、タイトすぎず、袖も長めでカワイイ
念のためもう一枚買っておこうかな?と悩み中



スキニーにもワイドパンツにもどっちもいけるサイズ感
なかなかありそうでないので重宝しそう



Pertini スリッポンシューズ
頑なにスリッパを拒否していた私、ついにスリッパデビュー
あまりにもリラックスアイテムだし、踵がカポカポするからと
スリッパ家履き推奨派だったのですが、セールという魔力に負けました
型押しの素材感とソールが厚めなのも重要
あまりにも楽チンすぎたので、お休みの日限定シューズ


好きなものって変わらないな〜と思いながら
同じようで同じじゃない服ばかり増えていきます。




2017-09-15

CHICCA


2017 AW  CHICCA のテーマは“ニューロマンチシズム”
まずビジュアルがかわいくてびっくりしました。全体的な色味や質感、モデルの表情まで全部が素敵!




とういわけで使用コスメを購入。一生縁がないと思っていたボルドーの口紅、けれど手を出せたのはCHICCAならではの2/5発色、見た目とは裏腹にシアーなぶどう色です。でも実物はパンチあります。


メスメリック リップスティック 35 グレープ
魔女っぽい色でキャップを開けるたびに、秋だな〜と思うほどのこっくり紫色。でも本当に薄付きで、一度塗りだと色つきリップくらいの発色。想像以上に使いやすいのでおすすめ。
2/5発色という透明感重視のコンセプトもぱっきりカラーのリップがひどく似合わない族としては本当に革新的!
使用画像にチャレンジは出来なかったのでわかりやすいyoutubeをどうぞ。ほんと、こんなかんじです。





限定色なのかと思いきや定番だそうです。見た目の印象と塗ったときの色味がこんなにも違うことに驚き、かなりテンションあがります。持ってるだけで嬉しい、みたいな。
CHICCAのプロダクトはどこかひねりがあって魅力的ですよね。
次はクリームチークが欲しいな。






2017-08-05

We Didn't Mean to Go to Sea


“海に出るつもりじゃなかった。
これはアーサー・ランサムの小説のタイトルですが、人生にはそういうことがときどきあって、「彼女」の人生もたぶんそんなふうにして、それまでの生活から切り離されてしまったのだろうと思います。”

江國香織さんの「神様のボート」という小説のあとがきはこう始まっています。
何年も前にこの文章を教えてくれた彼女は私より多くの本を知っていて、何かの話をしている中でこのあとがきを教えてくれたのだけど、何年経っても覚えているのはきっと“海に出るつもりじゃなかった”という文章が当時の私にあまりにも的確な表現だったからだろうと思う。明確にその記憶はあるのに、どういう状況だったのかはあまり覚えていない。多分いろいろあったんだろう。もう忘れてしまったけれど。

冷静に自分のことを考えてみても“こんなはずじゃなかった”と思うことも多い。学歴や仕事、身の回りの環境に外見や内面諸々、昔の自分が想像していた33歳の私はまさにこんなはずじゃなかった。けれど、どうなっている予定だったのか?と具体的に問われるとそれが出てくるわけでもない。それなのにこんなはずじゃなかった、と思うのは間違っているのに、どうしてもそう思ってしまう。自分を悔やむわけでもなく、他人を責めるわけでもなく、ただ単純に。子供のようにポロッと溢れてくる。
それでもいつが一番良かったとかいつに戻りたいとかそんな話になると私はいつだって今が一番いい。戻りたい過去なんてない。そういう話の場で言うと盛り下がるので実際口にはしないけれど、本気でそう思っています。誰にとやかく言われようとも、それが事実なのだから。




早いもので上京して15年になったようです。“東京”という場所は私にとって当然行くべき場所で、地元を出ることは義務教育と同じように、18歳になったら必ずそうなると小学生のころから思っていました。あの時、全く疑わずに東京に住むという選択をした自分の意志の強さは尋常じゃなかったし、高校をやめた時も何一つ疑いもなくそれは変わらなかった。今思い返せば信じられない話だけど自分の考えが間違っているとは微塵も思っていなかった。そして東京に出てきたことはやはり正しかった。(と思う)

久々に「神様のボート」を読み返しました。ボロボロでドックイアだらけの単行本。恋愛小説というカテゴリの中でどういう位置づけなんだろうな。改めて読んで思うのは、かなりクレイジーな物語だなということ。過激な展開とか言葉とか、そういうものを捻じ伏せるくらいの静かな狂気を感じる本。
昔つけたドックイアも、ああこの部分が好きだから折ったんだなと過去の自分と摺り合わせしながら読むと面白い。一番最初は10ページめ、“しずかで、他に誰もいなくて、空は心おきなく晴れていて、何ひとつ心配なことはなかった。”という一見なんてことない文章に涙が出そうになる。そこに惹かれるのはきっと昔も今も、世間は煩わしくて、空が心おきなく晴れることなんてなくて、あれこれ心配なことばかりだからだ。
それでも去年より生活が楽しいし、メンタルも鍛えられてきたし、たまに顔を出す根っからのネガティヴさとも適当に付き合えるようになった気もするし、心折れることも多々あるけれど、どうにかこうにか耐えています。いつか東京に憧れていた幼い私に胸を張れるような自分になるはずだから、大きなビジョンを描くことも疎かにせず、ささやかな夢をみることを忘れずに、毎日をコツコツ生きていけたらいいなと思うこの頃です。




2017-07-24

DISCO




ムラ加工のパテントをイメージして作ってもらったpatent nail♡




【DISCO】
1-14-9-3F JINNAN SHIBUYA-KU TOKYO
Tel :  03-3464-7831




2017-06-12

ぼくらの頭脳の鍛え方



本屋さんが好きです。急いでいない限り、通り過ぎることが出来ない場所。新刊はもちろん、陳列の仕方で今まで読んだことなかった本が急に気になってきたり、その時の気分によって手に取ってみようかなと思う本が違う。あるいは、知りたいと思っていたことが全然関係ないと思っていた本に書いてあったりする。それをずっとやっていると、今必要な情報や気分がなぜか分るようになる。あーこれ今の私に必要で読みたかった本だなーと思えることが続く。「それ単なる偶然でしょ」と言われたこともありますが、まあそうかもしれないけれど、同じようなことをしている人の同意は得られるはず。一冊ずつ纏っている何かしらのオーラがある。だからしばらく本屋さんへ行かないと何を手にとっていいかわからなくなるんです。まさに勘が鈍る。そうならないように習慣的に本屋さんを訪れます。
好きでよく行くのは青山ブックセンター。“検索でたどりつかない、本とアイディアを。”を見てからお店に入るので、「よっしゃー探すぞー」と意気込みます。そんなわけでけっこうピリピリしながら本を見ている私。平積みされている新刊から、本屋さん独自のおすすめコーナー、並んでいる背表紙まで、何かに呼ばれていないかを感覚を研ぎ澄ましながら練り歩く。(だから本屋さんで大きな声で会話している人たちが苦手、そっちに引っ張られてしまうから)青山ブックセンターは他の本屋さんでは見つけられなかった本が主張してくる場所です。なぜか新書を買う率も高め。そして何時間いても飽きないし疲れない。同じ本というものを並べていても他の本屋さんと違う場所と思えるからすごい。




「ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊」立花 隆 佐藤 優

“今、何を読むべきか?どう考えるべきか?「知の巨人」立花隆と「知の怪物」佐藤優が空前絶後のブックリストを作り上げた。自分の書棚から百冊ずつ、本屋さんの文庫・新書の棚から百冊ずつ。古典の読み方、仕事術から、インテリジェンスの技法、戦争論まで、21世紀の知性の磨き方を徹底指南する。”


先日行ったときに持ち帰った本の中の一冊。佐藤優さんの政治や哲学に特化した本は、私の頭では読みたくても難しくて理解できないものも多いけれど、これはパッと開いたページに雨宮処凛さんのことが書いてあり、一瞬で引き込まれました。対談形式というのも読みやすいです。雨宮処凛さんの仲間が“麻生邸見学ツアー”をやってパクられた時に助けを求めたのがパクられた経験のある佐藤さんであったり、どうしてロリータの格好をしているのか。ロシアでのコーヒーか紅茶を選択する意味。難しい本は自分の興味がある部分から取り入れていくと他の部分にもすんなり取り組める気がします。といってもここで紹介されている400冊は難解な本が多く、実際に手にとってみないとどれが読めるのかもわからないくらい。佐藤さんにピックアップされていて嬉しかったのは“沈黙”と“塩狩峠”、入ってるだろうなと思っていたので見つけてホッとしました。知っていたのはこの2冊のみ。
雑談も情報がたくさん詰まっているし、誰かの行動はこういった思想が元になっている等々、いかにそういった世界に無縁でありなんとなく適当に生きていることや、そもそもの基礎知識の無さになんだか情けなくなったりもしつつ、それでも面白く読めます。

ネットでもたくさん書籍や文章が読めますが、それでもやっぱり紙が好き。めくるという仕草、ふと開いた瞬間と偶然、マーキングのためのドッグイア、もう一度読みたくて戻ること。どれもインプットするために必要な行為だと思います。インターネットでバーっと検索することを“スループット”と表現されていて、まさにそうだなあと納得しました。スクロールするのと何度も本を読み直すのとでは、やはり記憶に残る度合いが違う気がする。あと小説はとくにその内容に合ったブックデザインや紙の質感、フォントや文字の大きさとかも含めて一つの作品として楽しみたい。子供の頃から図書館で本を探す、借りる世代なので余計にそう感じるのかもしれません。


“脳と読書・読字の相関は脳科学の世界では常識です。日本語の場合、平仮名があって、片仮名があって、漢字がある。それで音と文字と意味とがそれぞれ微妙にずれている。脳はこうしたずれがあればあるほど、その複雑さに順応するために高次の発達をとげるんです。だから日本人の脳はすごくいい脳になった。”(立花隆さん)


日本語に対してのすごく素敵な情報!

知識が溢れかえるほど脳に蓄えている人はもうその人自身がGoogleで、調べたいことを検索すると頭の中の引き出しが開いて必要な情報が出てくる、そんなイメージでした。
私も少しでも引き出しを増やせるよう、たくさん本を読もうと思います。